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日本・スペイン間のオンライン通訳:7~8時間の時差をどう乗り越えるか

ヘッドホンを着けてノートパソコンに向かう女性。オフィスの窓越しに市街地の高層ビル群が広がる、オンライン会議の一場面

日本とスペインの間には78時間の時差があり、これがオンライン通訳の日程調整における最大の制約になります。スペインの朝9時は、サマータイム期間なら日本の午後4時、冬時間なら午後5時にあたります。つまり双方が無理なく参加できる時間帯は、スペイン側の午前中から昼前後、日本側の午後遅くから夜の入り口にかけての、実質23時間程度の窓に限られます。この窓をどう使うかを最初に決めておくことが、オンライン通訳を機能させる出発点になります。

なぜ「7~8時間」で幅があるのか

日本は一年を通じて協定世界時(UTC)より9時間進んでいますが、スペインはサマータイムを採用しており、3月末から10月末まではUTC+2、それ以外の期間はUTC+1で推移します。したがって日本とスペインの時差は、サマータイム期間中は7時間、冬時間の期間中は8時間になります。この1時間のずれは小さく見えて、会議を設定する側が毎回計算し直さないと、うっかり1時間早く、あるいは遅く連絡してしまう原因になります。日程調整の際は、常にその時点での実際の時差を確認したうえで進めることをおすすめします。

現実的に使える時間帯はどこか

日本企業の標準的な勤務時間を9時から18時、スペイン企業のそれも同様に9時から18時と仮定すると、両者が単純に重なる時間はほとんどありません。スペインの終業時刻である18時は、日本ではすでに深夜1時か2時になっています。実務上機能する窓は、スペイン側が始業直後の8時から11時ごろまで、日本側がその時間を午後遅く(15時から19時ごろ)として受け止める形で設定するケースがほとんどです。

この時間帯であれば、日本側は通常の勤務時間内に収まり、スペイン側も始業後すぐという無理のない設定になります。多くの日系企業とカタルーニャの取引先は、この窓を定例会議の枠として固定し、隔週や月次のミーティングを同じ曜日・同じ時間に置くことで、双方のカレンダー調整の手間を減らしています。

リモート通訳に向いている会議

すべての会議が同じ重さを持つわけではありません。以下のような場面は、オンライン通訳でも十分に機能します。

定例の進捗確認。サプライヤーとの定期報告、四半期レビュー、プロジェクトの進捗共有など、資料が事前に共有されており、議題があらかじめ決まっている会議は、オンラインで問題なく回ります。通訳者は事前に資料と用語集を受け取っておけば、画面越しでも精度を落とさず対応できます。

少人数での打ち合わせ。参加者が3人から5人程度で、発言者が交互に話す形式の会議は、通訳者にとっても聞き取りやすく、Zoom、Microsoft Teamsといった通常のビデオ会議ツールで逐次通訳を挟むだけで十分に成立します。

契約条件の詰めや価格交渉のフォローアップ。すでに対面で関係が構築されており、今回のやり取りが継続協議の一部である場合、移動のコストと時間をかけてまで現地に出向く必然性は低くなります。

リモート通訳が向かない場面

一方で、現場に通訳者が物理的に同席することが欠かせない場面もあります。カタルーニャでの機械検収や品質監査については、カタルーニャでの機械検収と技術通訳で詳しく取り上げていますが、要点は次のとおりです。

機械検収。検収では、通訳者がエンジニアのすぐそばに立ち、配管の圧力値、警告灯の点灯、測定器の表示といった、画面越しでは伝わらない現場の情報を同時に把握する必要があります。カメラ越しの映像では、どこを見ているのか、何が問題になっているのかを正確に共有することが構造的に難しく、細かいニュアンスが失われやすくなります。

工場監査。監査担当者がラインを歩きながら質問し、その場で設備や工程を指し示す場面が中心になる監査は、画面越しの通訳では後手に回りがちです。通訳者が現場を一緒に歩くことで初めて、指し示された対象と発言を正しく結びつけられます。

多人数が関わる試運転や研修。複数のチームが同時に異なる情報を受け取る必要がある場面では、オンライン会議のツール上で音声が輻輳しやすく、逐次通訳のテンポそのものが崩れやすくなります。

判断の目安はシンプルです。会議の内容が「言葉のやり取り」で完結するならリモートで十分機能し、「その場で目にするもの」が判断材料になるなら、通訳者の現地同席を検討すべきタイミングです。

効果的なオンライン通訳会議をどう組み立てるか

時間帯を決めた後も、いくつかの工夫でリモート通訳の質は大きく変わります。まず、議題と資料は事前に共有し、通訳者にも同じタイミングで送っておくことです。通訳者が当日いきなり資料を目にする状態では、専門用語への対応力が落ちます。次に、会議の時間は90分を超えないよう区切ることです。逐次通訳は発言のたびに時間が二倍近くかかるため、長時間の会議は日本側の夜、あるいはスペイン側の午前を大きく圧迫します。

音声環境にも注意が必要です。複数人が同じ会議室から参加する場合、マイクの位置によっては発言が聞き取りにくく、通訳者が聞き返す回数が増え、会議のテンポが落ちます。可能であれば、指向性のあるマイクを使うか、発言者ごとに順番を明確にすることで、通訳者の負担を減らせます。

時差そのものを言い訳にしない

7~8時間という時差は、日本とスペインの間で変えようのない事実です。しかし、この時差が商談の停滞や意思疎通の遅れの言い訳にされている場面を、しばしば見かけます。実際には、窓となる時間帯を固定し、資料共有のルールを決め、会議の目的に応じてリモートと対面を使い分けるだけで、時差はほとんど障害でなくなります。問題の多くは時差そのものではなく、それに対する準備不足から生まれています。

日本・スペイン間のオンライン通訳の手配、あるいはリモートと現地同席のどちらが適切かのご相談は、[email protected]、またはWhatsApp +34 647 289 094までお気軽にご連絡ください。会議の内容と想定人数をお知らせいただければ、1営業日以内に確定した価格でお見積もりをお送りします。

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