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カタルーニャの日本企業になぜ技術通訳が必要なのか

机の上のノートパソコンや手帳を前に、身振りを交えながら議論する二人のビジネスパーソンの手元

カタルーニャにある日本企業の現地法人では、監査の朝によく似た場面が繰り返されます。監査担当者が到着して工場長と握手を交わし、会議室のテーブルでノートパソコンを開くと、誰かが手を挙げて通訳役を買って出ます。たいていは総務か営業の担当者で、電話やメールをこなすには十分すぎるほどのスペイン語力を持っています。問題が表面化するのは、その一時間後です。監査担当者が寸法公差や工程パラメータの話を始めた瞬間、通訳を任されたその人物は、単語は理解できても、それらをつなぐ技術的な意味の筋道がもうたどれなくなっています。

230社がこの地域に集まる理由

EU・日本経済連携協定が2019年に発効し、品目の90%以上で関税が削減されて以来、日本とスペインの経済関係は着実に強まってきました。それから6年足らずのうちに、2025年1月にはEU・日本戦略的パートナーシップ協定も発効し、両者の結びつきは一段と深まっています。この流れを裏づけるように、2024年の貿易額は78億ユーロに達し、過去最高を更新しました。この10年、伸びを牽引してきたのは自動車と機械の分野です。カタルーニャの対日輸出だけを見ても、2024年にはすでに10億ユーロの大台を超えています。

投資の面でも存在感は大きく、2020年から2024年にかけて日本企業がカタルーニャで生み出した雇用は3,000人を超え、投資額は7億ユーロに達しました。この期間、対カタルーニャ投資国としての日本の順位は第7位で、単年の2024年に限れば、対カタルーニャ外国直接投資全体に占める日本の比率は7%に上ります(ACCIÓ調べ)。拠点数にもこの広がりは表れており、2024年時点でスペイン全土に拠点を置く日本企業は390社、うち230社がカタルーニャに集中しています(カタルーニャ側の内訳は2022年のデータが現時点で得られる最新の数字です)。投資分野は全国的には化学・製薬、自動車、電気・再生可能エネルギーが中心である一方、カタルーニャに限るとICTと機械分野への投資も目立ちます。

拠点の実際の姿

自動車部品分野で最も長い歴史を持つ日系企業のひとつがDensoで、欧州初の工場をこの地に構えたのは1990年のことです。同じく自動車部品を手がけるCalsonic Kanseiもこの地域に根を下ろしており、自動車用シート大手のTachi-Sは500万ユーロを投じた新しい生産ラインをバルセロナで立ち上げたばかりで、投資の手を緩めていません。車両生産という点では、日産自動車イベリカがバルセロナのゾナ・フランカ地区で約40年にわたりその役割を担ってきました。生産そのものは2021年12月に終了しましたが、同じ拠点には今も研究開発センター(約300人体制)と部品・購買部門(約120人体制)が残っています。

自動車分野の外に目を向けると、電機・ICT分野ではSony、Omron、NTT Data、Ricoh、Hitachiが、それぞれの形でカタルーニャに拠点を構えています。22@地区にはRakuten TVやBandai Namcoがオフィスを置き、Honda、Yamahaも名を連ねます。業種はさまざまですが、共通しているのは、どの企業も現地に人員と実務を置いているという点です。組織図上の一項目としてではなく、実際に稼働する拠点として機能しています。

即席のバイリンガル社員では足りない理由

日本企業が初めて技術的な打ち合わせに直面したとき、最も一般的な対応は、社内でスペイン語が一番できる人物を動員することです。理解できる選択であり、当面は追加費用もかからないように見えます。しかし、ほとんどの場合これはリスクを伴う判断になります。一般的なスペイン語力はあっても、当該分野の専門的な訓練を受けていない人物は、理解しきれない部分を無自覚に単純化してしまう傾向があります。カジュアルな商談であれば、それはさほど問題になりません。しかし監査や検収、契約交渉の場では、同じ単純化が、不適合点の記録漏れや、双方で解釈の異なる契約条項につながりかねません。

見えにくいがもうひとつのコストもあります。総務や営業の担当者を丸一日、本来の業務から引き離して通訳に充てることは、請求書には載らなくても、決して無償ではありません。

汎用通訳者でも十分ではない理由

プロの通訳者を起用すれば、問題の多くは解決します。ただし、その通訳者が当該分野を知らなければ、すべてが解決するわけではありません。スペイン語を正確に話せることと、技術的な打ち合わせについていけることは、重なってはいても同じ条件ではないからです。カンファレンスや式典に慣れた通訳者が、化学プラントや配線ラインの語彙を前にして立ち往生することもあります。その状態は、即席のバイリンガル社員が置かれる状況と実質的に変わりません。違いは、基礎となる語学力がより確かだという点だけです。

カタルーニャに現地法人や取引先を持つ日本企業にとって重要なのは、その日に空いている通訳者ではなく、案件の分野に合わせて選ばれた通訳者を起用し、事前に用語集とプロジェクト資料を渡しておくことです。これは数日の準備で済む手続きですが、現場での結果を大きく左右します。

英語を介すリスク

日本語・スペイン語の通訳者が不在の場合、多くの日本企業は打ち合わせを英語で進めることを選び、それを中立な共通言語だと考えます。しかし日本の英語力は、11年連続で順位を落とし続け、世界平均488点との差も年々広がっています。96位、対象123の非英語圏の国・地域の中での順位です。これは2025年のEF英語能力指数における結果で、446点(700点満点中)という過去最低のスコアでした。監査や技術交渉の場で第三の言語を経由することは、多くの企業が正面から向き合っていないリスクを持ち込みます。どちらのチームも、自分たちの言語で考え、交渉するときにこそ最も精度が高くなります。日本語・スペイン語の通訳者は、その中間段階を別の場所に移すのではなく、取り除きます。

単発の依頼ではなく、繰り返し発生するニーズです

すでに数年カタルーニャに根を張っている企業にとって、技術通訳者が必要になる場面は、その都度対応すべき例外的な出来事ではなく、一定の周期で繰り返し訪れる必要になります。今四半期はサプライヤー監査、来四半期は機械の検収、その数か月後には契約更新の交渉。この種のサービスを、経常的な支出としてあらかじめ予算に組み込んでいる企業は多くありませんが、現地法人やパートナーシップが稼働して一年を超えた時点で、実態としてはほぼ確実に経常的な支出になっています。

カタルーニャにおける日本企業の全体像と、そこに関連するサービスについては、カタルーニャの日本企業のページで主要なデータと代表的な業種をまとめています。

すでにカタルーニャに拠点を持っている、あるいは進出を検討している企業で、自社の分野を理解した通訳者が必要な場合は、[email protected]、またはWhatsApp +34 647 289 094までご連絡ください。1営業日以内に、確定した価格でお見積もりをお送りします。

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